マレーシアインターナショナルスクールの入学試験によく用いられる認知能力テスト「CAT4」とは

2021年5月16日


現在、マレーシアのインターナショナルスクールでは、入学する際に「CAT4」という認知能力テストを実施する学校が増えています。
今回はマレーシアのインターナショナルスクールで使用されることのあるCAT4というテストについて少し掘り下げてみます。

CAT4 とは?

前記事でご紹介したGL Assessmentが提供している認知能力テストです。

Cognitive Abilities Test 第4版の頭文字となっており、学生のための認知能力検査のことで、学業の可能性を把握するために開発された英国で最も広く使用されている検査だそうです。

・人間の思考に重要な役割を果す4つの分野のテストで構成されています。
①reasoning with words (言語的考察力)
②reasoning with numbers (数的推察力)
③reasoning with shapes and designs (形や図から推察する力)
④thinking with and mentally manipulating precise shapes (正確な形を意識的に操作する力)

・このテストCAT4は、6〜17歳の生徒に対して実施されますが、CAT4 Young Learners (CAT4の幼児向け)も用意されています。

・テストは様々な年齢層を対象とした12のレベルに分かれています。

各バッテリーの構成

CAT4は4つのテストバッテリー(組み)で構成されており、各バッテリーには主に2種類のテスト様式が含まれています。

Verbal Reasoning Battery

①ことばの分類テスト…類似している3つの単語が提示され、それらの3つの単語に(最も適した)関連している単語を5つの選択肢の中から回答します。

②ことばの類推テスト…「A-B : C-_ 」の形式で問題が出されるので、最初の単語のペアが互いにどのように関連しているかを理解し、5つの選択肢から適したものを選び2番目のペアを完成させます。

Quantitative Reasoning Battery

①数字の類推テスト…数字を類推するテストで、各質問に「4-6、8-10、9-_ 」などの3組の数字が表示されます。これらの数字のペアがどのようのに関連しているかを理解し、5つの選択肢から答えを選びペアを完成させます。

②数列のテスト…各質問の数列の基礎となるルールを理解し、5つの選択肢から数列の次に来るものを選びます。

Nonverbal Reasoning Battery

①図の分類テスト…図の分類テストでは3つの別々の図が提示され、3つの図すべてに共通する概念的な関係性を類推します。
提示された図から、類似点や相違点、関係性を識別する能力が測られます。

②図の行列テスト…「A-B、C-_ 」の形式で質問が出されるので、5つの選択肢の中から答えを選び2番目のペアを完成させます。
視覚的な「ワーキングメモリー」を使って、図形の変化や形状の組み合わせを想像できるかが測られます。
(「ワーキングメモリー」は特定のタスクを実行するために、情報(例えば単語、数字、画像など)を短時間記憶したり駆使したりするための機能。)

Spatial Ability Battery

①図を分析するテスト…折り畳まれたり、一つまたは複数の穴が開けられた正方形が提示されます。その正方形が展開された時にどのように見えるかを提示された図から選択します。

②図形認識テスト…このテストでは、ターゲットと一致する図形が含まれる5つの複雑なデザインを正確に視覚で認識し、形をイメージして扱える能力が評価されます。

CAT4を受けるにあたって…

テストスコアの信頼性が変わってしまうため、CAT4の前にはいかなる練習も行わないことが推奨されています。
視力検査の前に検査表を暗記しないことと同様だそうです。

実際の検査では、テスト開始の前に練習問題が含まれており、質問スタイルを十分に理解することができるようになっています。

テスト結果

CAT4テストの推奨年齢やテストレベルは下の図のようになっています。
合格不合格の試験ではなく、あくまで認知能力検査の結果としてインターナショナルスクールが入学判断材料にしたり、クラスや学年を決めるときの参考にすることが多いようです。

また、娘はYear10の時にもこのCAT4 (Level F) を受けて、学生用のフィードバックレポートをもらいました。
レポートにはKey Stage3、(i)GCSE、AS Level、A Level、それぞれの試験に対する指針が提示されていました。

(例えば、「ある科目ではこのくらいの成績が見込めます」というような。)
高学年では、あくまで適性を測るテストではありますが、科目選択などの際の参考材料のひとつにするのもいいかもしれません。