【イギリス式インターナショナルスクール】セカンダリーからの留学が難しいワケ
留学はゴールではなくスタート。留学した後の解像度をあげるには!?
漠然とした「インターナショナルスクール(以下:インター)で英語を頑張る!」「子供の留学を応援する!」というフェーズから一歩踏み込んで、より解像度をあげた上で、どのようなことが、どの段階において必要で、そのためにはどんなことが課題となるのでしょうか?
また、はじめに言っておきたいのですが、はりきりママのおうちがよくできて、上から目線で言っているのでは?と思われることがあるのですが、決してそんなことはないのです。
我が家も一進一退、日進月歩で今まで来ており、詳細までは言えませんが、かなりの落ちこぼれで大変苦労しました。いや、今でも苦労しています。
だからこそ、これから留学する方には前もって知っておいてほしいと思い、今回の記事を書いています。
勉強さえできればいい!勉強が全て!というような「ゼロか100」の極端なことを言いたいのでもありません。
お友達と仲良くなるにも、国際交流をするにも語学力がなければなりませんし、アカデミックな勉強に取り組むにも基礎学力がなければ途中で行き詰まってしまいます。
これが絶対ではないけれど、あくまでもひとつの意見としてご一読いただければ幸いです。
逆算して考えてみる
進路設計はご家庭によって様々ではありますが、ここで各学年からインターに入ることを想定してインターのセカンダリー(※Year7以上の学年)からの留学の難しさについて逆算で考えてみたいと思います。
※ここで言う、Yearとは学年のことです。Year7は7年生という意味です。
あるといい英語のレベル
仮にマレーシアの大学に出願する場合、英語力の証明として、(高いに越したことはありませんが)IELTS5.5が目安となっています。
IELTS5.5ですと下の図にあるように、※CEFR換算でB2とされていますね。
日本の大学を帰国生試験で出願する場合でも、国立や私立、文系や理系、または各大学によって異なる部分もありますが、目安としてCEFR換算でB2は必要となってきます。
したがって、Year11終了後の(カレッジ含む)大学進学のためにも、インターのセカンダリー終盤には英語レベルがCEFR換算でB2はあったほうがいいわけです。
数年後に必要とされる英語レベルと現在の位置を照らし合わせて、的確で具体的な目標設定があったほうが闇雲に不安の中過ごすよりも見えてくることがあると思いますので各学年で逆算して検討していただければと思います。
※CEFRとは Common European Framework of Reference for Languages の頭文字をとったもので、ヨーロッパ言語共通参照枠とのことを指します。
外国語を学習している人がどの程度の外国語の運用能力があるのかを測るために用いる国際標準の指標です。
Year11 (Key Stag4)
イギリス式のインターの場合、Year11に入るとすぐにIGCSEの受験のための勉強やトライアル(mock)が始まります。言わば、今までの勉強の総仕上げになりますので英語の勉強どころではありません。
IGCSEでは、英語と数学は必須科目となっています。ですので、英語も数学も継続して勉強する必要があります。
Year10 (Key Stag4)
Year10ではIGCSEを前提とした授業進捗となります。というのもインターによりますが、Year11の早々にはIGCSEの試験範囲を授業で終えて、過去問などの試験対策に移行するため、Year10のうちにしっかりと遅れのないよう授業を進めておく必要があります。
インターや個人の意向にもよりますが、IGCSEはおよそ9科目を受験することになりますので、単に英語の勉強だけではなく、様々な科目を英語で授業を聞く、教科書を読み込んで理解する、課題を提出する日々になります。
英語レベル
残念ながら、(あくまで学校判断にはなりますが)CEFR換算でA1(およそ英検3級まで)からA2の範囲だとYear10への進級は難しいのではと予想されます。
英語ゼロの状態でのインター入学はほぼ無理だと思います。
Year9 (Key Stag3)
上記の通り、Year10で本格的なIGCSEのための勉強がはじまるわけですが、だいたいYear9の年度中にYear10の科目の説明や科目選択の申請手続きがあり、科目選択はある程度の基準を設けていたりしますので(Year9までにとっていた授業科目やその成績など)、それによって選択できるか否かが決まってきたりします。
また、受験したい科目が実は通っているインターでは提供されておらず、通っているインターでは受けられないということを避けるため、親御様の方で下調べしておくことをおすすめします。
(前もって知っていれば、他の科目だけ別の場所で受験しようとか、希望する科目が提供されているインターへ転校しよう!と言うようなプランを立てることができます。)
普段の授業では英語はYear7、Year8に比べさらに一段と難しくなってきます。
英語レベル
英語レベルがCEFR換算 A1(およそ英検3級まで)でYear9に入った場合、Year11までにA1→A2→B1→B2と3段階もあげないとなりません。
Year8(Key Stag3)
勉強面ではアカデミックレベルがさらに要求され、授業科目数も多くなりハードな学生生活になります。ただし、勉強以外にもスポーツや課外活動に挑戦できる機会も増えるため、親としても楽しい思い出をたくさん作って欲しい時期でもあります。
英語レベル
英語レベルがCEFR換算 A1(およそ英検3級まで)でYear8に入った場合、Year11までに、A1→A2→B1→B2と3段階あげることになりますが、3〜4年程の時間的猶予はありますね。
Year7(Key Stag3)
プライマリーからの学習からセカンダリーに移り、よりアカデミックになりますがまだYear7はYear6の延長線という内容です。
ただし、ここで基礎が弱かったりすると後々に影響してきます。
数学・英語に関しては特に積み重ねが重要になるので、穴があったら(理解不十分の単元)早めにクリアにしておいたほうがいいでしょう。
数学に関しては、比較的簡単です。
例えば、複雑でない正の数と負の数の計算がでたりしました。
数学がさほど難しくないので、英語力アップに注力できるし、友達と遊んだりと時間的余裕があるのもこの時期です。
英語レベル
英語レベルがCEFR換算 A1(およそ英検3級まで)でYear7に入った場合、Year11までにA1→A2→B1→B2と3段階あげることになりますが、4〜5年程の時間的猶予はありますね。
勉強法
チューター(家庭教師)をつける
インターの授業は少人数で行われるものもあるかもしれませんが、集団授業ではあるので、インターの集団授業をチューターによる個別指導で補強すると相乗効果が期待できます。
参考書・問題集に取り組む
セカンダリーからインターに入るということは、日本語で理解できるということであり、場合によっては英語で理解するよりも日本語で理解する方が理解が早いケースがあります。
(これは英語に限らず、数学などでも。)
インターでの授業に遅れをとっている、ESLクラスに属していてメインストリーム(メインクラス)ではない場合、やはりインターでの授業以上の何らかの対策をしないと様々な面で困難が生じてきます。
なぜなら、これまで示した通り時間的猶予がないからです。
イギリスカリュラムのインターですとどうしてもYear11の時点で共通試験であるIGCSEを受けることになりますし、日本へ帰国するにしても高校受験がありますのでどうしても試験対策を意識せざるを得ません。
何らかの策を講じずに、ただ「頑張れ!」「応援してる」「子供次第」とするのはあまりにも酷です。
参考書・問題集
一応こちらに日本語での英文法の参考書・問題集を載せておきますね。
英語での参考書・ワークは現地の本屋さんにたくさんあるでしょうから、手に取り内容を見た上で決めた方がいいと思います。
小学英文法パターンドリル 1巻 2巻
英文法パターンドリル 中学1年 2年 3年
高校基礎 英文法パターンドリル
総合英語Evergreen
さいごに
海外のインターに入学すれば自然と英語ができるようになるわけではないですし、当然目に見えない苦労や本人の努力、周りの人のサポートが必要となってきます。
しかし、英語の壁がなくなれば現地の友達と遊んだり、部活や課外活動に励み楽しい生活を送ることができます。頑張ってください!
あくまで私個人の意見ですが、少しでも参考になれば幸いです。